「Linuxカーネル4.18」リリース

 Linuxカーネルの開発を率いするLinus Torvalds氏は8月12日、「Linuxカーネル4.18」のリリースを発表した。

 6月初めに公開されたLinuxカーネル4.17に続く最新版で、開発コードは「Merciless Moray」。8回のリリース候補(RC)版を経てのもので、予定より1週間遅れてのリリースとなった。

 FUSE(Filesystem in Userspace)特権のないユーザーが非特権ファイルシステムをマウントできるようになった。いっぽうで高性能コンピューティング向けの「Lustre」ファイルシステムのサポートは廃止された。コードが適切にメンテナンスされていないことが主な原因。今後はカーネルのソースツリー外でメンテナンスされることになる。Btrfs、F2FSなども強化し、Speckファイルシステム暗号化のサポートも加わった。

 ユーザー空間における並列処理のためのRestartable Servicesシステムコールが加わった。性能の改善などが期待できるという。セキュリティ機構AppArmorでは監査のルールフィルタリングのサポートが加わり、2038年問題への準備関連の作業も継続して行われている。

 パケットフィルタリングファイアウォールでBPFベースのソリューションとして「BPFILTER」をマージした。高速なフィルタリング機能を備えるという。ゼロコピーTCPを受け取るためのAPIも新たに加わった。高性能ネットワーク向けのAF_XDPメカニズムも導入した。

 「amdgpu」ドライバーのサポートを強化し、次期Vega 20グラフィックプロセッサをサポートした。VegaパワープロファイルもサポートするなどVega関連の強化が加わった。グラフィックではこのほか、Intel Icelake関連も強化した。

 軽量化も継続して進められており、コードの総行数が10万行少なくなったという。

kernel.org
https://www.kernel.org/