「QEMU 4.0」リリース
オープンソースの汎用エミュレーターQEMU開発チームは4月24日、「QEMU 4.0.0」を公開した。ARMアーキテクチャのサポート強化などが行われている。
QEMUはオープンソースで開発されている汎用のマシンエミュレーター。特定のマシン向けのプログラムやOSを異なるアーキテクチャのマシン上で動かすことができる。動的に実行コードを変換することによって高い性能を実現できるのが特徴。また、ホストCPUと同じアーキテクチャのコードを仮想マシン上で実行する機能もあり、その場合ネイティブに近いパフォーマンスが得られるとしている。
QEMU 4.0は2018年8月にバージョン3.0が公開された3系に続く最新のメジャーリリースとなる。220以上の開発者より3100以上のコミットがあったという。
ARM向けに多数の機能強化が図られた。ARMv8+拡張が加わったほか、MuscaとMPS2開発ボード向けの新しいエミュレーションが加わった。ARM PMUのエミュレーションを改善し、virtではRAMサポートが255GB以上に拡張され、noloadイメージをサポートした。バグの修正も加わっている。
x86では、HAXアクセラレーターがLinuxやNetBSDでも利用できるようになるなどの強化が図られた。RISC-VでもvirtでPCIとUSBのサポートが加わるなどの強化があり、PowerPC、MIPSなども機能が加わっている。
インターフェイスでは、SPICEクライアントGUIを起動する-display spice-appを導入した。QMPでout-of-bandコマンド実行をサポートした。
QEMU 4.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。