米F5、NGINXを買収。オープンソースプロジェクトは継続

 米F5 Networksは3月11日(米国時間)、オープンソースのWebサーバー「NGINX」を開発する米NGINXの買収を発表した。NGINXブランドとオープンソースプロジェクトは継続するという。

 米F5は負荷分散、セキュリティなどアプリケーションのデリバリーに関する技術を開発するベンダー。ここ最近はマルチクラウドアプリケーションサービスとして、さまざまなクラウドでのアプリケーションサービスにフォーカスしている。

 NGINXはロシアの開発者Igor Sysoev氏らによるオープンソースのWebサーバーで、リバースプロキシ、ロードバランサーなどの機能も備える。無償のコミュニティ版のほか、有償サービスも提供している。オープンソース企業として創業し、米シリコンバレーでベンチャーキャピタルの投資を受けて成長してきた。現在、3億7500のWebサイトがNGINXの技術を利用しているという。

 F5はNGINXを取得することで、マルチクラウドのアプリケーションサービスを強化する。NGINXのアプリサーバー、マイクロサービスなどの技術、それにF5のアプリケーション管理、セキュリティなどを組み合わせることで、エンドツーエンドのアプリケーションサービスを提供できるとしている。

 今後の計画については、NGINXが現在展開する製品をF5のセキュリティで強化し、F5のクラウドネイティブ技術とNGINXのソフトウェア負荷分散技術を統合するといったことを発表している。NGINXのオープンソースプロジェクトについては、F5は継続するための投資を行い、コミュニティを拡大していきたいとしている。

 NGINXのSysoev氏、Maxim Konovalov氏、それにCEOを務めるGus Robertson氏はF5に移り、NGINX事業を継続する。

米F5 Networks
https://www.f5.com/

米NGINX
https://nginx.org/