Mozilla、オープンソース助成の「MOSS」で第2四半期に58万ドルを投資へ。PyPyなどが選ばれる

 Mozillaは8月4日、オープンソースに支援する「Mozilla Open Source Support(MOSS)」の下で、2016年第2四半期(4月~6月期)に9種類のフリー/オープンソースプロジェクトへの支援を行ったことを発表した。支援金の合計は58万5000ドルに上る。

 MOSSはMozillaが2015年秋に発表したイニシアチブ。合計350万ドルをオープンソースプロジェクトに助成金として付与するもので、トラック別に優れたオープンソースプロジェクトを選ぶ。Mozillaが関連する「恩返し」と全体の貢献につながる「応援」の2つの要素を持つ。

 第2四半期には「ミッションパートナー(Mission Partners)」として、Mozillaのミッションをサポートする任意のプロジェクト用のトラックを設けた。多くの応募の中から8種類のプロジェクトを選び、6月に発表した。選ばれたプロジェクトは「Tor」および「Tails」、「Caddy」、「Mio」、「DNSEEC/DANE Chain Stapling」、「Godot Engine」、「PeARS」、「NVDAで」、合計38万5000ドルを授与した。

 15万2500ドルと最も高い助成金が充てられたTorは、分散ネットワークを使って匿名での通信を可能にするプロジェクト。安全に重視したLinuxベースのOSを開発するプロジェクトであるTailsには7万7000ドルが助成さた。

 Mozillaによると今後も助成金の授与を検討しており、候補を募っているという。6月に受賞プロジェクトを発表時、2016年を通じて合計125万ドルを助成するとしていた。

 また、これとは別にPython JITコンパイラを開発するPyPyプロジェクトに20万ドルを支援することも発表された。PyPyは、Mozillaが利用するプロジェクト向けの「土台技術(Foundational Technology)」トラックの対象として選出された。

 これに加えて、よく使われているソフトウェアにソースコードの監査を提供することでオープンソースのセキュリティを改善する「セキュアオープンソース(Secure Open Source)」トラックでの対象にPerl正規表現ライブラリのPCRE(Perl Compatible Regular Expressions)と、イメージでコードライブラリのlibjpeg-turbo、データベース管理ソフトウェアphpMAdminの3つのプロジェクトが選出された。

 土台技術およびセキュアオープンソーストラックについては、引き続き提案や応募を受け付けるとのことだ。

Mozilla Open Source Support(MOSS)
https://wiki.mozilla.org/MOSS