「ReactOS 0.4.10」リリース、Btrfsからの起動が可能に

 ReactOS Projectは11月6日、Windows互換OSの最新版となる「ReactOS 0.4.10」を公開した。Btrfsパーティションからの起動が可能になり、フロントエンドも強化した。

 ReactOSはWindowsとAPIレベルでの互換を目指すオープンソースOS。HDD 500MB/RAM 96MBといった低スペックの環境でも動作し、ゲームやドライバなどさまざまなモジュールも提供されている。プロジェクトの立ち上げは1998年にさかのぼるが、まだアルファとしてリリースしている。

 ReactOS 0.4.10は、7月に公開されたバージョン0.4.9に続く最新版。チームは一貫性と安定性にフォーカスした開発を進めており、リリースサイクルを短縮することでユーザー体験を改善しているという。

 最新版ではBtrfsでフォーマットされたドライブからの起動が可能になった。ファイルシステムドライバはBtrfs向けのWindowsドライバ開発プロジェクトWinBtrfsを土台に、Google Summer of Codeに参加した学生開発者が完成させた。ReactOSインストーラーとブートローダーにおけるBtrfsの使用オプションも合わせて進めることで実現した。Btrfsはバージョン1.0.2にアップデートされている。

 フロントエンドでは、シェルの強化によりコマンドプロンプトへのファイル/ディレクトリのドラッグ&ドロップ、タスクバーの”デスクトップ表示”の強化などが加わり、環境変数を再起動なしに更新できるようになったり、スタートメニューの自動起動のバグも修正した。Win32サブシステムでは、複数のウィンドウのカスケードやタイル表示をサポートするなど多数の強化が加わった。

 フォルダアイコンのカスタマイズが可能になり、フォントの強化によりインストールのレンダリングが適切に処理されるようになった。また、ReactX Diagnostic Toolで完全なシステム情報を得られるようになった。

 このほか多数の細かな強化が加わり、安定性も改善している。

ReactOS
https://www.reactos.org/