米Microsoft、機械学習フレームワーク「Infer.NET」をオープンソースに

 米Microsoftは10月5日、モデルベースの機械学習フレームワーク「Infer.NET」をオープンソースで公開したことを発表した。

 Infer.NETはグラフィックモデル上でベイズ推定を動かすためのフレームワーク。すでに情報検索、バイオ情報学、疫学などで使われており、分類、レコメンデーション、クラスタリングなどさまざまな問題に利用できるという。

 Microsoftが英ケンブリッジにもつMicrosoft Researchのチームが2004年に開発に着手したプロジェクトを土台とする。当初リサーチのためのツールと想定して開発が進み、2008年には学術業界向けに発表した。Infer.NETを利用して研究した論文も多数出されているという。その後、リサーチツールから拡大し、同社のOffice製品やXbox、Azureなどで機械学習エンジンとして利用されるようになっているという。

 機械学習ライブラリが多数ある中、Infer.NETの特徴はモデルベースのアプローチが可能な点にあるという。固有知識をモデルに組み込み、そのモデルから直接、専用の機械学習アルゴリズムを構築できる。モデルを土台とした機械学習の別のメリットとして、システムの行動や特定の予想に至った理由を理解しやすいとしている。

 Infer.NETは.NET Core 2.1、.NET Framework 4.6.1、Mono 5.0をサポート、Windows、Linux、macOSで利用できる。ライセンスはMIT License。

Infer.NET
https://github.com/dotnet/infer