3Dエンジンを強化した「Godot 3.0」リリース
オープンソースのゲームエンジン「Godot Engine」開発チームは1月29日、最新のメジャーリリースとなる「Godot 3.0」をリリースした。3Dエンジンの強化、アセットパイプラインの改善など多数の機能強化が加わっている。
Godot Engineはオープンソースの2D/3Dゲーム向けクロスプラットフォームゲームエンジン。
Godot 3.0は2016年2月に公開されたバージョン2.0以来のメジャーリリース。開発から1年半を要しており、「最大のリリース」としている。2.0リリースの6か月後に2.1を公開しているが、その後開発チームは2017年にバージョン2.2を飛ばして3.0の開発に専念することを決定している。コアが新しくなり、後方互換性のない大型の機能も多数導入した。
最大の特徴は最新のレンダリングエンジンの搭載。「2Dエンジンは優れているが3Dの機能は基本的」というフィードバックに答えるべく、3Dエンジンでほかのメインストリームの3Dエンジンと同等の機能を備えたという。Principled BSDFのサポート、ライトニングでのグローバルイルミネーション(GI)、Mid-/Post-Processingもサポートした。
互換性の問題からビジュアルなマテリアルエディタは削除されたが、次期(バージョン3.1)では復活する予定という。3.0では、ディテールテクスチャ、3方向からマッピングを行うトリマッピングなどの機能を含むパワフルなマテリアルとシェーダー言語を提供する。
レンダリングエンジンに加えて、アセットパイプラインも改善した。アセットの自動インポートスキームが使いやすくなり、ネットワーク化されたファイルシステム上のデバイスでの動作も改善した。3Dワークフローも改善している。
glTF 2.0をサポートし、OBJフォーマットのサポートも改善した。ビットマップとしてのインポートなどSVGサポートも改善した。
Godotを外部ライブラリで拡張するGDNativeフレームワークも強化した。エンジンの再コンパイルなしにC/C++で拡張でき、OpenVR、Steam、Kinect、SQLiteなど外部のライブラリのバンドルも容易になった。スクリプト言語の設定と動作中の使用も可能になったという。
このほかにも、C# 7.0のサポート(Mono SDK 5.4以上が必要)、ビジュアルスクリプト言語(「VisualScript」)の初期搭載、GDScriptの強化、最新のオーディオエンジン、ARVRServerの実装によるVRのサポート、3D物理エンジンBulletのサポート、IPv6サポート、Web AssemblyとWebGL 2.0のサポートなど多数の機能が加わっている。
Godot 3.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはMIT License。
Godot
https://godotengine.org/