オープンソースのゲームエンジン「Godot 1.0」が登場

 オープンソースのゲームエンジン「Godot」開発チームは12月15日、初の正式版となる「Godot 1.0」リリースを発表した。主要なOS、モバイル、ゲーム機向けに2D/3Dゲームを開発できる。

 Godotは、開発者Juan Linietsky氏が中心となって開発するゲームエンジンプロジェクト。WindowsやMac OS X、Linuxといったデスクトップと、iOSおよびAndroidといったモバイル機器、GoogleのWebブラウザ向けサンドボックス技術「PNaCL」、さらにPlayStation 3やPlayStation Vitaといったゲーム機で利用でき、さまざまなプラットフォーム向けにゲームを開発できる。2014年1月にオープンソースプロジェクトとなった。ライセンスはMIT Licenseを利用する。

 開発者だけでなくデザイナーやアニメーター向けのツールも豊富に含んでおり、これらを利用して2Dゲーム/3Dゲームの開発やユーザーインターフェイスのデザインなどを行える。これらは32/64ビットのWindows、MacOS X、Linuxで動き、サイズも20MB程度と軽量。

 また、専用の2D/3Dエンジンを持ち、2Dゲーム開発ではあらゆる解像度に対応できるスケーリング機能を持つほか、高機能なアニメーション編集機能も備える。3DゲームではMax、Maya、Blenderなどから3Dモデルをインポートでき、HDRレンダリング、スケルトン作成などもサポートする。

 これらに加え、Pythonベースのスクリプト言語やC++で任意のオブジェクトの振る舞いをカスタマイズ可能。シミュレーション機能や2D/3Dでのアニメーション化、デバッガなども備える。

 開発チームによるとバグはほとんどないというが、継続して安定性とワークフローを改善していくという。なお、強化が必要な分野として3Dレンダラーを挙げている。現在の3Dレンダラーは互換性とモバイル/ローエンドPCを念頭に開発したもので、将来的には新しい世代のものに置き換えるとしている。

 直近の次期版1.1では、2Dエンジンの改善、ビジュアルシェーダー編集(2Dと3D)、インターフェイスの改善などを予定しているという。プラットフォームについてはWindows RTおよびPNaCLのサポートを強化し、HTML5エクスポート機能も向上する予定とのこと。

 Godot 1.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Godot
http://www.godotengine.org/