パッケージマネージャ「GNU Guix」およびGuix採用ディストリビューション「GuixSD 0.14」リリース
GNU Guixプロジェクトが12月7日、パッケージマネージャおよびこれを利用したシステムディストリビューションシステム「GNU Guix/GuixSD 0.14.0」を公開した。
GNU GuixはGNUシステム向けのパッケージ管理ツール。標準的なパッケージマネージャの機能に加え、トランザクション型のアップグレードとロールバック、特権のないパッケージ管理、ユーザー単位のプロファイル、ガベージコレクション、ビルドの再現などの機能も備える。Guile Scheme API、ドメイン固有言語を利用してパッケージの定義やシステム全体の設定ができるハッキング性も特徴とする。また、GuixSD(System Distribution)は、Guixにシステムツール、フォントなどを加えたLinuxディストリビューションとなる。
GNU Guix/GuixSD 0.14は5月に公開されたバージョン0.13に続く最新版。この間88人の開発者がコードとパッケージで貢献したという。
本バージョンではユーザーインターフェイスの強化が行われた。たとえばguix packageではダウンロードのサイズを報告し、ユーザーのディスク容量が十分ではない場合に警告したり、パッケージの衝突を早期に通知するようになった。「guix package –search」コマンドでは関連性に応じて結果をソートするようになったほか、GuixSDシステムサービスを検索できるコマンドguix system searchも加わった。
GuixSDでは新たにブートローダーAPIを導入、これによりGRUB(UEFIとBIOS)、U-Boot、Extlinuxのサポートを実現した。またARMベースの端末へのポーティングの可能性も開けるという。
JSONフォーマットのパッケージメタデータをインプットとして取り込み、通常のパッケージ定義を生成する「guix import json」コマンドが加わった。また、guix-daemonコマンドでは、クラスタ上でのインストールに最適という「–listen」オプションが加わった。
このほか、1211の新しいパッケージを導入、git-httpとcgit、libvirt、Memcached、Murmurなど新しいGuixSDサービスも加わっている。バグも多数修正した。
GNU Guix/GuixSD 0.14はプロジェクトのWebサイトより入手できる。なお、最新版よりGuixSDのインストールイメージをISO9660形式のイメージファイルとして提供、これまでのUSBメモリスティックに加え、DVDを作成できるようになった。
GNU GuixSD
https://www.gnu.org/software/guix/