「PyPy 5.9」リリース、NumPyとPandasをPython 2.7向けでサポート

 PythonインタープリタのPyPy開発チームは10月5日、最新版「PyPy 5.9」を公開した。JSONパーサーの高速化、NumPyとPandasのPyPy2.7でのサポートなどが加わっている。

 PyPyはPythonで作成したPythonインタープリタ。Python 2.7.13および3.5.3をベースに実装されており、高速な動作、JITコンパイラによる高い互換性、省使用メモリなどを特徴とする。また、スタックレスモード、大規模な並列処理向けのマイクロスレッド機能なども備える。

 PyPy 5.9は6月に公開されたバージョン5.8に続く最新版。Python 3.5系と互換性がある「PyPy3.5 v5.9」、Python 2.7系と互換性がある「PyPy2.7 v5.9」の2種類を公開している。

 数値計算ライブラリ「NumPy」やデータ分析機能のためのライブラリ「Pandas」がPyPy2.7で使えるようになった。C-APIベースのほかのモジュールもPyPyで動くという。

 先に公開された「Cython 0.27.1」や、PyPy2.7/PyPy3.5ベータとの互換性も強化された。C-APIインターフェイスコードのアップデートとのインタラクションにより、Cythonはバージョン0.7.21が最小バージョンとなる。

 ほぼすべてのCコードを使用できるCFFI(C Foreign Function Interface for Python)はバージョン1.11.1となり、Cとのインターフェイスのためのパッケージを強化した。char16_tとchar32_t、APIモードで複雑な引数をサポートした。C-API互換レイヤの問題も修正した。

 このほか、JSONパーサーを循環文字列向けに最適化した。これによって繰り返しの多い辞書キーをもつ大規模なJSONファイルメモリの使用を最大50%削減でき、処理速度も最大15%改善できるとしている。

PyPy
https://pypy.org/