「PyPy2.7 v5.6」リリース
PyPy開発チームは11月12日、Pythonの標準実装(CPython)と互換性を持つPython実行環境「PyPy2.7 v5.6」を公開した。Python C API互換レイヤcpyextの強化などが特徴となる。
PyPyはPythonで記述されたPythonの処理系。高速、低いメモリ消費、スタックレスモードなどの特徴を持つ。Python 2.7.12および3.3.5と互換性があり、PyPy2.7はアップストリームのstdlibバージョンの2.7.12を実装したもので、CPython 2.7からそのまま置き換えて利用できる。3.2.5を実装したPyPyはPyPy3としてリリースされている。
PyPy2.7 v5.6は3月に公開されたPyPy2.7 5.0系の最新安定版。9月に公開したPyPy2.7 v5.4に続くものとなる。
Python C-API互換性レイヤ(cpyext)を継続して強化し、6000以上あるというアップストリームのNumPyテストスイートのうち12に合格したと報告している。また、データ構造・データ分析ツールを提供するPandas、Python用QtバインディングPyQtのサポートへの検証を開始したという。
また、PowerPCとs390xバックエンドを強化し、micronumpyループにSIMD命令セットが利用できるようになった。性能測定のtimeitは、誤解を招きやすい最低バリューではなく平均との偏差でレポートするように変更した。
built-in _sslモジュールでOpenSSL 1.1での構築をサポート、CFFIはバージョン1.9にアップデートした。
PyPy2.7 v5.6はx86(32/64ビットのLinux、64ビットのMac OS X、32ビットのWindows、OpenBSD、FreeBSD)、ARM(VFPv3実装、ARMv6またはARMv7)上のLinux、PPC64(big/little-endian)上のLinux、s390x上のLinuxをサポートする。
PyPy
http://pypy.org/