Python実行環境「PyPy 5.1」公開、ウォームアップ時間やメモリ要求をさらに強化

 PyPy開発チームは4月20日、Pythonで実装されたPython実行環境PyPyの最新版「PyPy 5.1」をリリースした。ウォームアップ時間、メモリ要求などが改善されている。

 PyPyはPythonのCによる標準実装であるCPython 2.7と互換性を持つPython実装。同プロジェクトではCPython 3.2.5と互換性を持つ「PyPy3」も開発されている。今回リリースされたのはPython 2.7と互換性を持つPyPy 5系の最新版で、CPython 2.7向けコードをほとんどのケースでそのまま実行できる。CPythonよりも高速に動作するのが特徴。

 PyPy 5.1は、3月に公開されたPyPy 5.0系のポイントリリースとなる。5.0で強化したウォームアップ時間の短縮を進めた。jit-leaner-frontendブランチなどの最適化により最大30%改善するという。また、メモリ要求は約20%削減すると報告している。

 PyPyの実装に使われているPythonのサブセット「RPython」の改良によってIBM s390xに完全対応した。そのほか、外部Cライブラリの呼び出しのためのインターフェイスとなるCFFIが、まもなく公開予定のバージョン1.6にアップデートされている。

 C-API互換レイヤでPyUnicodeObjectのサポートを改善し、CPython互換性のためにattrgetterを利用するようになった。、Numpyの強化、PyPy用プロファイラvmprofでGNU/kFreeBSD Debianのポートをサポートするなどの機能も加わっている。

 PyPy 5.1はx86、ARM(ARMv6またはARMv7)、64ビットPowerPCに対応、プロジェクトのWebサイトより入手できる。

PyPy
http://pypy.org/