「PostgreSQL 10」登場、論理レプリケーションを導入

 PostgreSQL Global Development Groupは10月5日、最新安定版となる「PostgreSQL 10」をリリースした。

 PostgreSQL 10は、2010年9月に公開されたバージョン9に続く最新のメジャーリリース版となる。データを多数のノードに分散させ高速なアクセスや管理を可能にする機構を中心に機能開発を進めた。

 現在のレプリケーションを拡張して、データベース単位、テーブル単位のレベルでほかのPostgreSQLデータベースに変更を送ることができる論理レプリケーションを導入した。様々なデータベースクラスタでレプリケートされたデータのチューニングが可能で、ダウンライムなしに最新のPostgreSQLにアップグレードも可能という。

 同期レプリケーションでクオーラムコミットをサポートした。遠隔にあるレプリカに変更が正しく書き込まれたということをプライマリデータベースに知らせるもの。また、宣言的テーブルパーティショニングとして、テーブルパーティショニングのシンタックスを利用してユーザーがパーティションされたテーブルリストの作成や管理ができるようになった。

 9系で導入したクエリの並列処理など既存機能も多数強化されている。セキュリティ関連ではRFC5802で定義されている安全なストレージとパスワード伝送のためのプロトコル「Salted Challenge Response Authentication Mechanism(SCRAM)」のSCRAM-SHA-256(RFC7677)認証手法をサポートした。既存のMD5ベースのパスワード認証手法よりも安全性が高いという。

 開発チームはまた、バージョン10以降、x.yフォーマットでのバージョン化に変更することも発表した。マイナーリリースは小数点以下(y)、メジャーリリースは整数(x)となる。これに基づき、次期マイナーリリースは10.1、次期メジャーリリースは11となる。

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