「PostgreSQL 9.6」リリース、クエリの並列処理などの機能強化が行われる

 The PostgresSQL Global Development Groupは9月29日、オープンソースのSQLデータベース「PostgreSQL 9.6.0」をリリースした。クエリの並列処理をサポートし、スケールアップを強化した。

 PostgreSQL 9.6は、1月に公開された「PostgreSQL 9.5」に続く最新版。スケールアップやスケールアウト、同期レプリケーションなどの強化、フレーズ検索などが特徴となる。

 クエリの並列処理によりスケールアップを強化する。一部クエリでサーバーのコアの一部または全てを活用することで、処理を高速にできるという。シーケンシャルスキャンやジョイン、アグリゲーションでサポートされ、ビックデータに対するクエリを最大32倍高速化できるという。ただし、高速化は利用できるコアの数に依存するともされている。

 クラスタ上で一貫性のある読み込みを実現する同期レプリケーションでは、複数ノード上のデータに対して一貫性のあるビューを作成する「remote_apply」モードが加わった。複数サーバーの同期スタンバイもサポートする。PostgreSQL間のデータ連携ドライバー「postgres_fdw」も強化し、リモートにあるサーバーで実行できるようになった。

 全文検索でフレーズをサポート、句でテキスト検索が可能になった。また、VACUUM処理を強化し大規模なテーブルや複雑なワークロードのオーバーヘッドを削減した。システムビューも新しくなり、pg_stat_wal_receiver、pg_visibility、pg_configなどの関数が加わった。そのほかコマンドプログレスのレポートをサポートし、拡張機能をインストール時にカスケードを利用できるようになった。

 モニタリングやバックアップなどでも多数の機能強化が加わり、安定性も強化した。

 PostgreSQL 9.6のWindows、Mac OS X、Linux、各種BSD、Solaris向けバイナリやソースコードはプロジェクトのWebサイトより入手できる。

PostgreSQL
http://www.postgresql.org/