Linuxカーネル4.13リリース
Linus Torvalds氏は9月3日、最新のLinuxカーネル4.13をリリースした。過去最大だった前回の4.12に比べると「しっかりとした平均的な」リリースとしている。
7月初めに公開されたバージョン4.12に続く最新版で、7回のリリース候補(RC)を経てのリリースとなる。
インターネットプロトコルの暗号化レイヤとなるTLS(Transport Layer Security)プロトコルをネイティブでサポートした。セキュリティではまた、構造体レイアウトのランダム化プラグインを導入、コンパイラがC言語構造体のレイアウトをランダム化を行うことでLinuxカーネルの安全性強化を図れるとしている。
また、ブロックレイヤーのライトバックにおけるエラー処理を改善した。これにより、レポートがさらに正確になるとしている。メモリ管理では、大規模なページのスワッピングの実現に向けたパッチもマージされている。将来的にメモリ管理関連の性能改善につながるという。ノンブロッキングのダイレクトブロックI/Oオペレーションのサポートも改善した。割り込み予測による電源管理の改善、ドキュメンテーションの強化なども加わっている。
ファイルシステムでは、F2FSとBtrfsでstatxのサポートが加わったほか、ext4、XFSなどでも強化が加わった。中でも、Torvalds氏はリリースを告げるメーリングリストで、「変更で問題なのは、SMB 1.0をデフォルトにするのではなく、デフォルトのcifs(Common Internet File System)の行動が変わっていることだ」とし、デフォルトのcifsマウントが「モダンな」SMB 3.0になったことを取り上げている。
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