OpenStackの16回目のリリースとなる「OpenStack Pike」リリース

 OpenStack開発チームは8月30日(米国時間)、クラウドインフラストラクチャ構築ソフトウェア「OpenStack Pike」を公開した。各コンポーネントでさまざまな強化が加わっている。

 OpenStackはOpenStack Foundationが主導する、オープンソースのクラウド基盤技術開発プロジェクト。これを利用することで、独自のInfrastracture as a Service(IaaS)型クラウドを構築できる。パブリッククラウド事業者やプライベートクラウドの構築で多数の利用実績があるという。

 OpenStack PikeはOpenStack16回目のリリースとなり、2月に公開された「OpenStack Ocata」に続くもの。計算ノード管理ソフトウェア「Nova」の「Nova Cells」機能がバージョン2となり、大規模なデプロイのサポートやコンピュートサービスの拡張が可能になった。シャーディングを利用することでデータベースとメッセージキューの拡張を容易にしたり、ダウンしたドメインを分離するなどのことができるという。

 ベアメタルプロビジョニング機能を提供する「Ironic」も強化を重ね、ソフトウェア定義ネットワークを管理する「Neutron」で構築されたネットワークにプラグインできるようになった。

 ブロックストレージ機能を提供する「Cinder」では「スナップショットに戻る」機能が加わり、仮想マシンをシャットダウンすることなくストレージボリュームも拡大できるようになった。

 オブジェクトストレージを提供する「Swift」では、リージョンをまたいだネットワークがダウンしても個々のリージョンは継続して機能するようになるなど信頼性が強化された。また、単一サーバー上で複数のプロセスを同時に動かすことで性能の強化も行えるという。

また、Neutron、やCinder、Nova、Swiftといったコンポーネントがローリングアップデートの対象となり、サービスを中断することなく新しいコードをロールアウトできるという。

 このほかPython 2.7のサポートが2020年末でEOLを迎えるのに合わせ、3.5のサポートが加わった。

 技術的な特徴以外では、「プライベートクラウド・アズ・ア・サービス」という新しいデリバリーモデルの導入も行われている。

OpenStack
https://www.openstack.org/