パッケージ構築システム「Open Build Service 2.8」リリース
Open Build Service Teamは4月7日、汎用のバイナリパッケージ構築システム「Open Build Service 2.8」を公開した。
Open Build Service(OBS)は、ソースからのバイナリパッケージ構築やその配布を行うための汎用システム。自動化のサポートや一貫性を特徴とし、パッケージに加えて、アップデート、アドオン、アプライアンス、ディストリビューションそのものをさまざまなOSとハードウェアアーキテクチャに対して公開できる。openSUSEが進めるプロジェクトで、openSUSEがリファレンス実装となっているほか、VideoLAN、Tizenなどのオープンソースプロジェクト、Dell EMC、Intelなどの企業でも採用されているという。ライセンスはGPLv2。
ユーザーインターフェイス(UI)、API、バックエンドでそれぞれ強化を加えた。UIでは設定可能な正規表現をベースにプロジェクトリストをフィルタリングできる機能が加わり、プロジェクトのgpgキー、SSL証明書のダウンロードが可能になった。UIからサービスのトリガーが可能になり、kiwiビルドの記述のインポートもサポートした。
APIでは、ユーザーの制御・管理がより細かくできるようになり、プロジェクトからメンバーの削除やブロックが可能となったほか、ユーザーのサブアカウントとして新たなユーザーを宣言できるようになった。自動スクリプトの際に役立つ機能という。
バックエンドでは、単一のソースパッケージからローカルリンクの作成なしに複数のジョブを構築できるMulibuildを導入した。Workerの追跡と管理も強化したほか、osc unpublishコマンドによりパブリッシュしたパッケージを削除できるようになった。snapパッケージフォーマットの対応も実験的に加わっている。
プロジェクトのWebサイトより、OBS 2.8を運用環境で動かすためのアプライアンスを入手できる。また、リファレンスサーバーを利用して、OBS 2.8を使ってopenSUSE、Debian、Fedora、Ubuntu、Arch Linux、Red Hat Enterprise Linux、SUSE Linux Enterpriseなどの主要ディストリビューション向けにパッケージを構築できる。
Open Build Service
http://openbuildservice.org/