米Red Hat、最新のPaaS「Red Hat OpenShift Online」を発表
米Red Hatは7月11日、PaaS(Platform as a Service)型パブリッククラウド環境「Red Hat OpenShift Online」の最新版を発表した。自動スケール、EclipseなどIDE統合などが加わっており、業界初のオープンソースのクラウドネイティブ、マルチテナントコンテナプラットフォームとしている。
OpenShift OnlineはRed Hatが2011年に最初にローンチしたクラウドサービス。同社のコンテナアプリケーションプラットフォームである「Red Hat OpenShift Container Platform」と同様にLinuxコンテナとKubernetesを技術的土台とし、開発者はパブリッククラウド環境でクラウドネイティブのアプリケーションの構築、実装、拡張が可能。バックエンドにはAmazon Web Servicesが使われているが、運用はRed Hatが行う。そのため開発者は運用関連の作業に時間を取られることなく開発に集中できるとしている。1GBのメモリと1GBのストレージを含む無料の「Starter」と有料(1GBのメモリまたはストレージにつき月額25ドル)の「Pro」がある。
Java、Node.js、.NET、Ruby、Python、PHPなどの言語でアプリケーションを構築できる。すぐに開発をスタートできるテンプレートも用意しており、自分の好みのアプリケーションフレームワーク、データベースなどをワンクリックで構築、実装できる。データベースはMariaDB、MySQL、PostgreSQL、MongoDB、Redis、SQLiteなどから選択できる。コンテナ側ではDocker APIを直接利用でき、「Red Hat Container Catalog」やコミュニティレジストリの「DockerHub」などを活用して開発できる。
Red Hatによると、Red Hat OpenShift Onlineには個人開発者、スタートアップ、教育機関、ソフトウェアベンダー、企業など数十万人が登録しており、300万人以上のアプリケーションが開発されたという。
本バージョンでは1クリックでデプロイを実行したり、「git push」コマンドでデプロイを行う機能など、デプロイをより簡素化する機能が加わった。アプリケーションの拡張も強化し、アプリケーションの負荷が増加し追加のインスタンスを要求する際に自動でスケールできるようになった。また、ミドルウェアサービスとして「Red Hat OpenShift Application Services」を提供、Red Hat JBoss Middlewareポートフォリオを利用してアプリケーションの構築やほかのシステムとの統合などができるようになった。
再利用可能なコンテナを構築できるsource-to-image(S2I)フレームワークも導入された。これによりミスを削減でき、自分の言語でのアプリケーション構築にフォーカスできるという。Eclipse、Red Hat JBoss Developer Studio、Titanium StudioなどのIDE(統合開発環境)とのインテグレーション機能も強化されている。
Red Hat OpenShift Online
https://www.openshift.com/