ロイヤリティーフリーのオーディオコーデック「Opus 1.2」リリース

 インタラクティブな用途向けオーディオコーデック「Opus」の開発チームは6月20日、最新版となる「Opus 1.2」を公開した。

 Opusはロイヤリティーフリーのオーディオコーデック。インターネット技術タスクフォース(IETF)が策定するRFC 6716と完全な互換性がある。ライセンスは3条項BSDライセンスを利用する。SILKとCELT、2種類のコーデック技術を含み、音声や音楽をインターネット経由で伝送するのに使用できる。また、ストレージやストリーミングアプリケーションにも利用できるとしている。プロジェクトはMozillaの支援を受けている。

 Opus 1.2は、2012年9月に公開された1.0系の最新版となる。2013年12月に公開されたバージョン1.1に続くリリース。

 調性分析の改善やエンコードの最適化などを通じて、音楽の品質を改善した。音声スピーチの品質も改善し、SILKエンコーダーを強化し、最大8kHzで音声スピーチをエンコードしながら、8~20kHzを使ってCELTを使ってエンコードするハイブリッドモードにチューニングを加えた。

 周波数分解能を改善しつつ、CPUの使用は抑えることができるようになった。可変ビットレート(VBR)は32kbpsまで低くできるようになった。

 性能では、速度に関連した強化を複数施した。全体のシンプル化に加えて、x86固有(SSEx)、ARM固有(主としてNeon)の最適化を行った。様々なテストを通じてセキュリティも強化し、悪意あるオーディオファイルやBoIPパケットがレシーバーに悪い影響を与えないようにした。

 IETFで定義が進んでいるというOpus向けのAmbisonics(アンビソニックス)マッピングについても、最新のドラフトをサポートした。Windows向けでは、ビルドプロセスで複数のライブラリではなく単一のライブラリ(opus.lib)を生成するようになり、Opus上でのアプリケーション実装が容易になった。

Opus
http://opus-codec.org/