「FFmpeg 2.3」がリリース、Opusデコードにネイティブ対応

 FFmpeg開発チームは7月16日、オープンソースのマルチメディアコーデック実装の最新版「FFmpeg 2.3」(開発コード「Mandelbrot」)をリリースした。Opusデコードのネイティブ対応、よりいっそうの最適化など多数の機能追加や強化が行われている。

 FFmpegは動画や音声のデコードおよびエンコード、フォーマット変換、mux/demux、ストリーミング、フィルターといったさまざまな機能を持つマルチメディアフレームワーク。ファイル形式の変換機能を提供するコマンドラインツール「ffmpeg」、ライブブロードキャスト向けマルチメディアストリーミングサーバー「ffserver」、SDLとFFmpegライブラリベースのマルチメディアプレイヤー「ffplay」、マルチメディアストリームアナライザの「ffprobe」といったツールから構成されるほか、さまざまなマルチメディアファイルを扱うためのライブラリも提供する。

 FFmpeg 2.3は2014年3月末に公開された2.2からのアップデートとなる。FFmpegは3か月ごとのリリースを計画しており、予定通りのリリースとなった。

 本バージョンでは新たに非可逆音声圧縮コーデックである「Opus」のネイティブデコーダーが導入された。今まではlibopusライブラリを利用して対応していたが、ネイティブデコーダーにより安定性と速度を改善するという。

 また、新たな最適化機能としてH.265/HEVC向けのx86アセンブリ最適化とFFmpegのオーディオリサンプラーlibswresampleの改善を行った。ARMベースの端末でのMLP/TrueEDデコードが高速になるという。Cコードの最適化により、Huffyuvのデコードも改善した。

 Mac OS X向けでは、QTKitとAVFoundationインプットデバイスをサポートした。AVFoundationはMac OS X 10.7(Lion)以降で利用できるAPIで、QTKitはそれ以前のMac OS Xで提供されていたAPI。これにより、Macが搭載するカメラを利用できるようになる。APIではこのほか、ストリーム全体の情報を保存する方法としてAVStream.side_dataが加わった。

 そのほか、コマンドラインツールでDXVA2経由のデコードのサポートや、libavcodec、libavformatなどのツールでの細かな機能強化が加わっている。

 FFmpeg開発チームは前日の15日に、「Muybridge」開発コードを持つ2.2系の最新版となる「FFmpeg 2.2.5」も公開している。安定性にフォーカスしたリリースとなり、libavutil、libavcodec、libavformatとさまざまなツールが更新されている。

FFmpeg
http://www.ffmpeg.org/