マイクロサービス向けサービスメッシュ「Linkerd 1.0」が公開

 米Buoyantは4月25日、マイクロサービス間の通信レイヤとなるサービスメッシュ「Linkerd 1.0」を公開した。分散型アプリケーションにおいてRPCを使ってサービス間の連携を支援するツールで、すでに複数の企業が運用環境で導入しているという。

 Linkerdは、元Twitterのエンジニアが開発するクラウドネイティブのアプリケーション向けサービスメッシュ。2016年にプロジェクトの開始が発表され、2017年1月にCloud Native Computing Foundationの傘下となった。

 マイクロサービス間のやりとりの専用レイヤーを提供し、トラフィックを制御できるプロキシ、サービスディスカバリ、ルーティング、障害処理などの機能を持つ。これによって、Kubernetesなどのオーケストレーションサービスを利用したマイクロサービスとコンテナ化を組み合わせたアプリケーション開発を支援できる。すでにPayPal、Ticketmasterらが運用環境で利用しているという。ライセンスはApache License 2.0。

 Linkerd 1.0は2月に公開したバージョン0.9に続くものとなる。Service Mesh APIの安定性を強化し、Kubernetes、Prometheus、gRPCなどと統合して利用できる。新たにルーター設定でサービスレベルのパラメーターを設定できるserviceを導入、サービス単位での設定が可能になった。クライアントレベルのパラメーター設定clientと並行して利用できる。また、クライアント単位でタイムアウトやTLSなどの細かな設定が可能になった。

 このほか、負荷分散、回路遮断、リクエストルーティングなどの機能によりエンドツーエンドでの信頼性を実現する。セキュリティ機能としては、透明性のあるTLS、分散トレーシングなどを備えた。

 LinkerdはプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Linkerd
https://linkerd.io/