フリーなBIOS「Coreboot 4.6」リリース
フリーなBIOSを開発するCoreboot開発チームは5月8日、「Coreboot 4.6」をリリースした。
Corebootは、プロプライエタリのBIOSのリプレースを目指すフリーソフトウェアプロジェクト。旧名称はLinuxBIOS。大規模なクラスタのメンテナンスプロジェクトとしてスタートしたが、その後、組み込みシステム、デスクトップPC、サーバーなどでも利用できるようになった。
Coreboot 4.6は2016年10月に公開されたバージョン4.5に続く最新版。CBMEMデバッグコンソールを改善し、リブートの間が永続化された。新しいLinuxカーネルドライバを導入、cbmemエリアから読み込むために古いcbmemツールを必要としなくなった。ネイティブグラフィックを書き直し、Windows対応を実現した。モニタでプラグプレイをおこなうための拡張ディスプレイ識別データであるEDID(Extended Display Identification Data)のサポートも有効になった。
新しいペイロードが加わり、既存のものもアップデートした。Tianocore EDK2 UEFI実装と利用できるようになったが、EDK2がサポートするGCCとCorebootがサポートするGCCではバージョンがことなるなどの問題から統合は実現できなかったと説明している。
Adaサポートも加わった。形式検証は未統合だが、間もなく加わるとしている。sandybridge/ivybridgeプラットフォーム向けのネイティブのRAM初期化を修正、より多くのRAMモジュールをサポートするようになった。ツールチェーンをアップデートし、GCCが5.3から6.3にアップデートされている。
なお、開発チームによるとTPM 1.2のLPCドライバ実装における問題が確認されており、問題解決後にバグ修正リリースとして4.6.1を公開するという。
Coreboot
https://www.coreboot.org/