次世代のグラフィックスAPI「Vulkan 1.0」の仕様が公開

 標準化団体The Khronos Groupは2月16日(米国時間)、OpenGLの後継という位置付けのグラフィックスAPI「Vulkan 1.0」の仕様を公開した。

 Vulkanはレガシーな設計が残っているOpenGLを刷新するために策定されているグラフィックスAPI。モバイル端末やゲーム機、PCなどをターゲットにしており、API仕様はロイヤリティーフリーで提供される。AMDが作成していたグラフィックスAPI「Mantle」に由来しており、アプリケーションからGPUに効率よくアクセスできるのが特徴。同社のほかIntel、NVIDIAなどが仕様策定に参加している。

 Khronos GroupのOpenGL、OpenGL ES 3Dの両APIを補完するもので、アプリケーションはGPUのアクセラレーションを直接制御できる。マルチコアとの親和性が高く、ドライバオーバーヘッドも低いため性能に優れるという。端末に関係なく同一のAPIを利用できるなど移植性も特徴とする。

 Vulkan 1.0は18ヶ月の期間を経ての仕様公開となった。当初は2015年中に公開を予定していたが、約2ヶ月ほど遅れた格好となる。Khronos Groupは合わせて、米LunarGがWindowsとLinux向けに初の「Vulkan SDK」を公開したことも発表している。Googleも間もなくAndroid向けのSDKを揃えるという。GoogleはVulkanテストスイートをAndroidのテストにも統合している。

 1.0の仕様公開に合わせて、AMD、Nvidia、Intelなどがグラフィックドライバ(ベータ)を公開している。なお、Khronos GroupはOpenGLについても仕様の開発を継続する方針だ。

Vulkan
https://www.khronos.org/vulkan/