「TypeScript 2.3」リリース
米Microsoftは4月27日、「TypeScript 2.3」リリースを発表した。ECMAScript 2015の新しいジェネレーターとイテレーターのサポート、JavaScriptからの移行を支援する機能などが加わっている。
TypeScriptはMicrosoftが開発し、オープンソースで公開されているプログラミング言語。JavaScriptに静的な型付けシステムやさまざまなツールを追加したもので、JavaScriptと上位互換性がある。型システムを利用することで高速にコードを書けるのに加え、型チェックによりJavaScriptでよくあるバグを回避できるという。
TypeScript 2.3は、4月前半に公開されたバージョン2.2に続く最新版。
拡張子「.js」を持つJavaScriptファイルをTypeScriptファイルとして扱う機能が追加された。ファイルの先頭に「// @ts-check」というコメントを追加することで、そのファイルをTypeScriptのソースコードして扱えるようになる。JavaScriptからTypeScriptへのマイグレーションの際に有用だという。
また、ECMAScript対応を強化し、ECMAScript 2015の新しい非同期ジェネレーターと非同期イテレーターを利用できるようになった(デフォルトでは無効で、オプトインが必要)。ES3/ES5でのジェネレーターもサポートし、古いバージョンをターゲットにして最新のECMAScriptを利用できるようになった。redux-sagaなどのライブラリとの併用も改善するという。
デフォルトのGenerics型パラメーター向け宣言が加わったほか、「–init」オプションも強化した。また、推奨設定による型チェックを利用する「–strict」オプションも導入された。
Language ServerプラグインAPIも導入された。Language Serverはソースコードの解析機能をサービスとして提供するもので、これによってさまざまなエディタや開発ツールにその言語向けの機能を容易に追加できるようになる。TypeScriptにおけるLanguage ServerプラグインAPIはAngular開発チームとの協業により実現したもので、Angularユーザーはこれを利用して、容易にテンプレートを利用できるという。すでにTSLint、TypeScript GraphQLなどのプラグインがすでに用意されている。
TypeScript 2.3はnpmやNuGetなどのツール経由でインストールできる。また、Visual Studio 2015(Update 3)とVisual Studio 2017(Update 2 Preview)のユーザーはMicrosoftのダウンロードサイトより入手できる。
TypeScript
https://www.typescriptlang.org/