Mozilla、オープンソース支援プログラム「MOSS」受賞プロジェクトを発表

 Mozillaは12月10日、フリー/オープンソースプロジェクトを助成するサポートプログラム「Mozilla Open Source Support Program(MOSS)」の「還元(恩返し)」(「Projects Mozilla Relies On」)部門最初の受賞プロジェクトを発表した。Mercurialなど7プロジェクトが受賞し、助成金額は合計で50万3000ドルとなった。

 Mozilla Open Source Support Program(MOSS)はMozillaが10月に発表した新しいプログラム。オープンソースコミュニティの一員としてオープンソースプロジェクトに助成金を交付するもので、Mozillaが関連したプロジェクトを選ぶ「還元(恩返し)」、Mozillaの資金提供によりコミュニティ全体に貢献する可能性のあるプロジェクトを選ぶ「前進(応援)」の2つのカテゴリを用意する。助成金は合計100万ドルと発表している。

 今回は還元カテゴリの7プロジェクトを発表した。金額が最も高いのはネットワークモニタリングの「Bro」で、20万ドルが交付される。BroはMozillaの侵入検知システムの中核となる技術で、今回の助成金はBro向けのモジュールとプラグインのパブリックレポジトリ、Comprehensive Bro Archive Networkの立ち上げに利用される予定。

 次は、Mozillaの多数のWebサイトで利用されているというサーバーサイドのWeb開発フレームワーク「Django」。Djangoチームは助成金を利用して、WebSocketsを利用するWebアプリ向けバックエンドとしての機能開発を行うという。金額は15万ドル。

 3番目は、分散ソースコード管理システム「Mercurial」で7万5000ドル。Mozillaはmozilla-centralなど中核のリポジトリとしてMercurialを利用しているとのこと。助成金を利用して、「blame」のサポートやWeb UIの改善などを行う予定だ。

 このほか、ドキュメンテーションの構築およびホスティングの「Read The Docs」(4万8000ドル)、オンラインディスカッションフォーラム「Discourse」(2万5000ドル)、ソースコードエディタ「CodeMirror」(2万ドル)、継続的ビルドと統合システム「Buildbot」(1万5000ドル)が選ばれた。助成金は7プロジェクト合計で50万3000ドルとなる。

 MOSSプログラムは進行中であり、今後は前進カテゴリ(「Foundational Technology」)の募集を行う。

Mozilla Open Source Support Program(MOSS)
https://wiki.mozilla.org/MOSS