Docker、Docker Engineのコアコンテナランタイム「Containerd」を公開

 米Dockerは12月14日、コンテナランタイム「Containerd」をオープンソースソフトウェアとして公開した。Dockerのコンテナランタイムをコンポーネント化したもので、シンプルで堅牢、移植しやすいといった特徴を持つという。

 Containerdは、Dockerの中核となるコンテナランタイム機能をコンポーネントとして分割したもの。ライセンスはApache License 2.0。Dockerは数年がかりでDockerプラットフォームのモジュラー化を進めており、「runC」や「SwarmKit」などをリリースしてきた。Containerdはその最後の取り組みになるという。

 LinuxおよびWindowsのデーモンとして実行することで、イメージの転送や保存、コンテナの実行や管理、ローレベルのストレージとネットワークの管理といった機能を提供する。開発者が直接利用するというより、大規模なシステムに組み込んで使用することを想定して設計したと説明している。

 今後は機能を拡充していき、正式版ではLinuxとWindowsの両ホストで同じようにコンテナを管理できるようにするとしている。2017年前半にはDockerやAmazon Web Service(AWS)のDockerコンテナ管理サービスである「EC2 Container Service(ECS)」、Microsoftの「Azure Container Service(ACS)」、Kubernetes、Mesoes、Cloud FoundryなどのコンテナシステムでContainerdを中核のコンテナランタイムとして利用できるようになるという。

 なお、同様の取り組みに、Linux Foundationの「Open Container Initative(OCI)」があるが、Containerdでは将来的にOCI標準を利用し、OCI完全準拠になるとしている。

 COntainerdは現在バージョン0.2はプロジェクトのWebサイトで公開されている。Dockerによると、2017年にContainerdを中立的な団体に寄贈することを計画しているとのこと。

Containerd
https://containerd.io/