コンテナ運用プラットフォームの「Rancher 1.2」公開
米Rancher Labsは12月1日、コンテナ運用のためのプラットフォーム「Rancher 1.2」を公開した。プロジェクトのWebサイトより入手できる。
Rancherは運用環境でコンテナのデプロイや管理を行うためのプラットフォーム。Kubernetes、Mesos、Docker Swarmなどの技術を活用し、コンテナ化されたアプリケーションを任意のインフラストラクチャで動かすことができる。ネットワーキング、ストレージサービス、ホスト管理、負荷分散などコンテナの運用に必要なすべてのサービスを提供し、インフラを問わずに動くため、アプリケーションの実装と管理をシンプルに行うことができるとしている。ライセンスはApache License 2.0。役割ベースのアクセス制御、LDAPとActive Directoriesとの統合、詳細なログ、高可用性管理サーバー、ネットワーク暗号化などの高度な機能を含むサポート付きの商用版も用意する。
Rancher 1.2は、5月に公開されたRancher 1.0系の最新版となる。Kubernetes、Docker、Docker Composeの最新版を含むほか、ネットワークプラグイン「Container Network Interface(CNI)」のフルサポートが加わった。RancherのIPSec、XVLANソリューションをはじめ、CNIをサポートするベンダーの技術を全て利用できるという。DockerのプラグインであるDocker Volumeもサポートする。プラグインは、ConvoyNFSのリプレースとなり、新たに書き直したというNFSのサポート、AWS EFS/EBSなどが含まれる。
これに加えて、カスタム環境テンプレートとして、ネットワークやストレージのプラグインをカスタマイズ可能なテンプレードにオプションとして組み込めるようになった。これによってサービスの管理が改善し、インフラサービスの実装の繰り返しを一貫性のある形でできるという。
コンテナ管理プラットフォームそのものも強化し、拡張性や性能が改善しているという。リソーススケジュールやロードバランサーのHAProxyを強化し、Rancher CLI(コマンドラインインターフェイス)の強化やシングルサインオンのSAML 2.0サポートも加わった。
なお、開発チームは正式版に到達して以降、四半期に一度安定版を、隔週でプレリリースのスナップショットを提供するというポリシーを持つが、Docker、Kubernetesなどはリリースサイクルが異なることを受けて、1.3より毎月安定版を公開するとしている。
Rancher
http://rancher.com/