米Red Hat、「Red Hat Enterprise Linux 6.8」を公開

 米Red Hatは5月10日、「Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 6.8」の一般公開(GA)を発表した。セキュリティと管理を中心に新機能や機能強化が加わっている。

 RHEL 6.8は2010年秋に公開されたRHEL 6系の最新版で、2015年7月に公開されたRHEL 6.7に続くもの。なお、RHELの最新版は2014年に公開したRHEL 7系で、2015年11月にRHEL 7.2を公開している。

 セキュリティ、管理とモニタリングを中心に強化が図られた。セキュリティでは、VPNプロトコルの実装である「libreswan」を導入することで、仮想プライベートネットワーク(VPN)のセキュリティを強化する。libreswanはこれまでのRed Hat Enterprise Linux 6 VPNエンドポイントソリューションを置き換えるものとなる。

 また、SSSD(System Security Services Daemon)でローカル認証向けスマートカードをサポートした。これにより、スマートカードを使ったログオンが可能になる。またキャッシュ認証機能を導入、再接続を試みることがなくなり安全性と遅延でメリットをもたらすという。sss_overrideを利用してSSSDでクライアントサイドの設定により特定のクライアントのUIDとGIDのマッピングが可能になった。UIDとGIDの重複により生じる問題を改善できるという。

 このほか、Active Directoryのホスト、ユーザー、グループの管理を簡素化するadcliパッケージが加わった。また、SSLv2のサポートは無効となった。

 管理では、システムアーカイブツール「Relax-and-Recover」によりシステム管理を合理化できる。ISOフォーマットでローカルのバックアップ作成が可能で、一元的にアーカイブして遠隔からレプリケーションができるという。yumツールでも、パッケージの追加を簡素化するなどの強化が図られた。

 また、I/Oの状況を管理できる「dmstats」により、ストレージの使用とパフォーマンスも改善するという。

米Red Hat
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