米Red Hat、RHELを開発者に無料提供へ

 米Red Hatは3月31日、商用のLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux」を開発者に向けて無料で提供するプログラム「Red Hat Enterprise Linux Developer Suite」を発表した。開発者はRed Hatに申請して許可を得る必要があり、運用環境では利用できないなどの制約もある。

 Red Hat Enterprise Linux Developer Suiteは、Red Hatの開発者向けプログラム「Red Hat Developer Program」の一部として展開するもので、「Red Hat Enterprise Linux Server」、Python、PHP、Ruby、OpenJDK 7/8などをサポートする開発ツールなど、最新の開発技術を含む。これを利用してハイブリッドクラウド環境で実装できるアプリケーションの開発と実装が可能になり、DevOpsなどの新しい開発手法を実践するITチームは開発から実装まで互換性のあるプラットフォームを利用できるとしている。プログラミング言語、データベース、Webサーバー、開発ツールは年に1度アップデートされる。

 Red Hatは開発版として「Fedora」、RHELクローンの「CentOS」などのプログラムも持ち、これらは無償のオープンソースとして公開されている。いっぽうRed Hat Enterprise Linux Developer Suiteは運用環境ではない環境でのみ利用でき、Red Hatによるサポートのないセルフサポート型となる。また、利用を希望する開発者はRed Hatに申請を行う必要がある。

 Red Hat Developer Programはコンテンツ、ツール、リソースをエンタープライズ開発者に提供するものとして2015年にスタート、すでにRed Hat JBoss Middlewareポートフォリオを提供している。今回Red Hat Enterprise Linux Developer Suiteが加わることで、Red Hatのローカル開発向け技術を容易に利用できるようになるとしている。

米Red Hat
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