Free PascalベースのクロスプラットフォームIDE「Lazarus 1.6」がリリース

 Free Pascalで構築したマルチプラットフォーム対応の統合開発環境(IDE)「Lazarus」開発チームは2月22日、最新安定版「Lazarus 1.6」を公開した。Free Pascal Compiler(FPC) 3.0でビルドした初のリリースとなる。

 LazarusはDelphi互換のマルチプラットフォーム対応IDEとして1999年にスタートしたオープンソースプロジェクト。Pascalで作成されており、200以上のコンポーネント、多数のデータベースフレームワークを持ち、パッケージによる拡張が可能。インストーラー、ドラッグ&ドロップ対応フォームデザイナ、GUIフォームとコード間の自動同期、シンタックスハイライトと入力支援付きのコードエディタ、リファクタリングツール、ビルドシステムとデバッガの統合などの機能を持つ。UTF8サポートや国際化機能も備えている。対応プラットフォームはWindowsおよびMac OS X、Linuxなど。ライセンスは、ライブラリはLGPL、IDEはGPLで提供される。

 Lazarus 1.6は、2015年6月に公開されたLazarus 1.4に続く最新安定版。1.4系ではFPC 2.6.4ベースだったが、1.6ではFPC 3.0で構築した。

 LCL(Lazarus Component Library)、IDE、コンポーネントでそれぞれ変更が加わった。たとえばIDEでは、ツールバーに変わって設定可能なIDE CoolBarを導入し、EditorToolbarでのGUIの設定を共有できるようになった。コードナビゲーションと入力補完機能も拡張し、クラスヘルパーなどでも利用できるようになった。また、lazbuildで検索されたパッケージを表示する新しいオプションが加わり、lazarusでは新しいインスタンスを開くよう強制するオプションが加わった。

 後方互換性のない変更として、FPC 2.7以上ではLazUTF8を利用時にデフォルトのコードページがUTF8に設定されるようになった点がある。Unicodeでのプログラミングが容易になった一方で、互換性が損なわれており注意が必要という。また、LCL、CodeToolsなどで利用できるラッパー技術が非推奨となり、将来的に削除されるという。

Lazarus
http://www.lazarus-ide.org/