「Git 2.7」リリース、多数の機能強化などが行われる

 オープンソースの分散バージョン管理ソフトウェアGit開発チームは1月4日、最新版となる「Git 2.7」を公開した。複数の異なるディレクトリにローカルブランチを作成できるコマンド「worktree」に関連した強化など、多数の機能が加わっている。

 Git 2.7は2015年9月に公開されたGit 2.6に続く最新版で、性能、開発、ユーザーインターフェイス(UI)、ワークフローなど多くの改善が行われている。

 2.5で導入された「git worktree」コマンドで、新たにリポジトリのワークツリーを表示する「list」サブコマンドが追加された。また「git bisect」コマンドはworktreeごとに独立して実行できるよう変更されている。さらにgit bisectで利用されている「good」と「bad」という単語は状況によっては混乱を招くとして、新たに「old」や「new」という用語が導入されている。

 「git filter-branch」コマンドでは、プログレスメーターで作業状況を表示する機能が加わった。また、「git interpret-trailers」コマンドはGitリポジトリ外で利用できるようになり、「git p4」コマンドでは「Git LFS」がサポートされた。これによってリポジトリ外に大規模なblobsを送ることが可能となっている。そのほか、「git clone」コマンドの「–dissociate」オプションは「–reference」オプションと同時ではなくても使用できるようになった。

 このほか、「git stash」コマンドや、「git remote」コマンドなど多数のコマンドが強化されている。GUIツール「gitk」の見栄えも改善され、日本語およびスウェーデン語の翻訳も新しくなっているという。

 「git submodule」コマンドはCでの書き直し作業が進められたほか、「git tag」コマンドや「git branch」コマンドで利用できる「-l」オプションが「git for-each-ref」でも利用できるようになった。そのほか、pkt-lineをベースとした通信向けのデバッグインフラの改善や、多数のバグ修正も行われている。

 Git 2.7のバイナリおよびソースコードはプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはGPLv2。

Git
http://git-scm.com/