Mozilla、FirefoxアドオンでChromeとの互換性がある新しいAPIを採用へ

 Mozillaは8月21日、オープンソースのWebブラウザ「Firefox」のアドオンについて方針変更を行う計画を発表した。APIの変更を含むもので、Googleの「Chrome」などとの互換性のあるAPIを提供するという。一方で、XUL、XPCOMなどの既存技術については非推奨としていく。

 今回のアドオン仕様の変更は、「Electrolysis」や「Servo」といったMozillaで開発が進む新技術の活用や、スパイウェアやアドウェアからのユーザーの保護、アドオンのレビューに要する時間の短縮という3つの目的を持つとMozillaは説明している。Electrolysisは、ipdlプロトコルを利用してWeb関連のコンテンツを単一のバックグラウンドプロセスでレンダリングと実行するというもの。Servoは新しいWebブラウザエンジン開発プロジェクトで、Samsungと共同で進めている。

 具体的な変更点としては、拡張用APIとして「WebExtensions」という新しい技術を採用する。WebExtensionsはGoogle ChromeのWebブラウザエンジンであるBlinkと互換性のあるJavaScript志向APIで、マルチプロセスブラウザに対応するほか、マルウェアなどのリスクも緩和するという。また、ChromeやOperaとほぼ互換性があるため、開発者は複数のブラウザに向けた拡張機能の開発が容易になるとしている。WebExtensionsのプレビューリリースは11月公開予定の「Firefox 42」(現在Developer Editionの段階)に含む予定。今後他のブラウザベンダーとWebExtensionsの一部を標準化する可能性もあるという。

 合わせて、セキュリティや性能を損なうことなくカスタマイズが行えるよう、次期「Firefox 41」からはすべての拡張に対しMozillaによる承認と署名が義務付けられる。一方で、既存の土台技術であるXPCOMとXULベースのアドオンについては非推奨にする。具体的な移行時期はまだ決めていないが、今後12~18か月の間としている。

Mozilla
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