「Firefox 40」リリース、Windows 10への正式対応やダウンロード時の安全性を強化

 Mozillaは8月11日、Webブラウザ「Firefox 40」を公開した。Windows 10に正式対応したほか、アドオンやソフトウェアダウンロードに対する安全性を強化したという。WindowsおよびMac OS X、Linux向けのデスクトップ版およびAndroid版が公開されている。

 Firefox 40は、7月初めに公開された「Firefox 39」に続く最新安定版。7月末に正式リリースとなったMicrosoftの最新OS、Windows 10に正式対応した。合わせてユーザーインターフェイスを調整し、デザインエレメントを大きく、くっきりとさせ、Webページ閲覧のためのスペースを拡大した。なお、Windows 10ではデフォルトのWebブラウザがMicrosoftの最新のWebブラウザ「Edge」となることについてMozillaは抗議しており、FirefoxをデフォルトのWebブラウザに設定する方法を公開している。検索バーのデフォルトの検索エンジンについても、Firefoxは選択肢を提供するとメリットを強調している。

 アドオンの安全性も強化し、2月に明らかにしていたサードパーティアドオン開発者向けガイドラインに基づく認証プロセスにより、Mozillaによる署名のないアドオンに対して警告が表示されるようになった。将来的には署名のないものは無効になるという。アドオンマネージャーのデザインも変更され、同じウィンドウ内で設定画面が表示されるようになった。

 セキュリティではこのほか、マルウェアのダウンロードに対する保護を提供する。GoogleのSafe Browsingサービスを利用するもので、.com、.exe、.msi、.app、.dmgなどの拡張子を持つ実行コードを含むファイルをダウンロードする際に同サービスにメタデータを送って安全かどうかを問い合わせる。有害と判断された場合は、ダウンロードマネージャーがファイルへのアクセスを遮断する。

 WebRTCベースの動画通話サービス「Firefox Hello」も強化し、Webページへのリンク共有により会話にする話題を示して通話をスタートできるようになった。話題にしたいWebページからFirefox Helloボタンを押し、「Let’s Talk About(話題)」にチェックを入れて通話を開始すればよい。

 Linux版ではOMTC(Off Main Thread Compositing)のサポートがデフォルトで有効となった。これにより、スクロールやグラフィックの表示、動画再生などがスムーズになるという。Windows版でもハードウェアvsyncによりアニメーションとスクロールがスムーズになった。

 これらに加え、非同期アニメーションのサポートにより、CSSアニメーションがスムーズになった。またJpeg画像の拡大や縮小の際のメモリ使用量を削減し、描画の高速化を図った。

 開発関連も強化し、開発ツールの開発ツールにWaterfallビュー、Call Treeビュー、Frame Chartビューが加わった。Inspectorでは新たにルールビューツールチップが加わりCSS Filter値を調整できるようになったほか、同一ページ内でのコンテンツフレームをまたいでの検索も可能となった。

 Android版でもソフトウェアダウンロードのセキュリティメカニズムが実装された。使い勝手も強化し、戻るボタンまたは進むボタンの長押しにより、履歴が表示されるようになった。

Firefox
https://www.mozilla.org/ja/firefox/new/