GUIを備えたPython実行環境「IPython 4.0」リリース

 Python向けの「インタラクティブな操作に向けた高機能シェル」をうたう「IPython」開発チームは8月12日、最新版となる「IPython 4.0」をリリースした。言語に依存しない部分および対話的操作環境である「Notebook」を「Jupyter」として分割することになってから初のリリースとなる。

 IPython開発チームは2015年2月に「IPython 3.0」をリリース、その後4月に「The Big Split」として、IPythonプロジェクトの言語に依存しない部分を「Project Jupyter」として切り離す方針を発表していた。

 Jupyterは2014年のイベント「Scientific Computing with Python(SciPy)」で発表されていたプロジェクトで、IPythonの拡大を受けてJulia、Python、Rから名付けた。分割後、IPythonはインタラクティブなPythonシェルやJupyter向けのPythonカーネル、並列コンピューティング向けのIPythonをカバーし、またJupyterはREPLプロトコル、Notebook、マルチユーザーNotebookサーバーのJupyter Hub、Nbviewerなどを担当する。Julia、Python、R以外にもHaskell、Luaなど多数の言語を同等に扱うとしている。

 IPython 4.0は分割後初のリリースとなる。Jupyterの下に移行したNotebookや「qtconsole」などを含まず、IPython.parallelやwidgetsはそれぞれのリポジトリに移行するなど、リポジトリが大きく変更されている。主なものとして、IPython.kernel(jupyter_clientとipykernelへ)、IPython.consoleapp(jupyter_client.consoleappへ)、IPython.nbformat(nbformatへ)IPython.nbconvert(nbconvertへ)IPython.html(notebookへ)IPython.parallel(ipyparallelへ)IPython.utils.traitlets、(traitletsへ)IPython.config(traitlets.configへ)、IPython.qt(qtconsoleへ)IPython.terminal.console(jupyter_consoleへ)となり、多数のサブパッケージが非推奨となった。同時に互換性維持のためのラッパーコードも用意されているため、既存のコードは警告されるものの問題無く動くという。

 これらに加え、IPythonパス発見のためのAPIの場所が変更となるなどの変更も加わっている。

 IPython 4.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはBSD License。

IPython
http://ipython.org/