米Google、Dockerコンテナオーケストレーションツール「Kubernetes 1.0」をリリース

 米Googleは7月21日、オープンソースのコンテナ管理技術「Kubernetes 1.0」リリースを発表した。2014年6月のプロジェクト立ち上げから1年でのバージョン1.0リリースとなり、Googleのコンテナ戦略を強化するものとなる。

 Kubernetesはコンテナオーケストレーションシステムで、Dockerコンテナの実装、レプリケーションやモニタリングなどの管理などの機能を持つ。多数のコンテナを1つのシステムとして管理することで、開発と運用を簡素化できるという。GoogleのGoogle Cloud Platform上でDockerコンテナを利用できるサービス「Google Container Engine」の土台技術にもなっている。Kubernetesプロジェクトには米Dockerや米Red Hat、米CoreOS、VMwareなどの企業も参加している。

 Kubernetes 1.0の開発には400人以上の開発者が貢献したという。コア機能を強化し、DNS名前解決、負荷分散、アプリケーションレベルのヘルスチェックなどを導入した。ポッド(最小の実装ユニット)でのコンテナ実装が可能となり、ポッド内で動くプロセス認識のための「サービスアカウント」も導入した。

 ステートフルアプリケーションもサポートし、「Google Compute Engine」のパーシステントディスク、Amazon Web Servicesの「Elastic Block Store」、NFSなどのネットワークベースあるいはローカルボリュームを利用できる。アプリケーションデバッグのためのツールもコマンドラインインターフェイス(CLI)またはユーザーインターフェイスから利用できるという。

 このほか、クラスタ管理、性能と拡張性も強化された。

 Googleは今月OpenStack Foundationに企業スポンサーとして参加、KubernetesをオープンソースのIaaS基盤であるOpenStackに統合する計画を明らかにしている。

 今回Kubernetes 1.0の発表と同時にGoogleは、Docker、Red Hatら多数の企業とLinux Foundationのコラボレーティブプロジェクト「Cloud Native Computing Foundation」の立ち上げも行っている。

Kubernetes
http://kubernetes.io/