Linuxカーネル4.1リリース、Atomプロセッサでの性能向上やExt4ファイルシステムでの暗号化サポートなどが行われる

 Linuxカーネルの開発を主導するLinus Torvalds氏は6月22日、Linuxカーネルの最新版「Linuxカーネル4.1」を発表した。このリリースは長期に渡ってのサポートが提供されるLong Term Support(LTS)リリースとなる。

 Linuxカーネル4.1は4月半ばに公開されたバージョン4.0に続くリリースとなり、8回のリリース候補(RC)版の公開を経てのリリースとなった。

 本リリースでの大きな改良点として、Intelの「Cherry Trail」および「Bay Trail」Atomプロセッサおよびそのチップセットのサポート強化がある。これにより、性能の強化や電力消費の効率化が期待できるという。また、「Skylake」関連のサポートも向上しているほか、「XenGT」グラフィック仮想化のサポートにより、Xenゲストからグラフィックアクセラレーションを利用できるようになっている。

 ファイルシステムでは、Ext4ファイルシステムでファイルとディレクトリの暗号化機能が導入された。GoogleがAndroid用に開発したもので、Android以外にも適用できる。また、Linuxカーネルトレーシングサブシステム向けの新たなファイルシステム「TraceFS」が加わった。カーネル内部情報を参照するための「debugfs」をマウントせずにカーネル内部情報を取得できるのが特徴。RAID 5/6のサポート強化や、Btrfs、F2FSの強化も行われている。

 NVIDIA製GPU向けオープンソースドライバ「Nouveau」では「GeForce GTX 750」でのアクセラレーションサポートが追加された。また、Googleが開発する仮想GEMグラフィックドライバvGEMの導入も行われている。64ビット用ARM向けACPIのサポートなど、ARM関連の強化も加わっている。

 東芝とDell製のノートPCのサポートやWacom製タブレット向けドライバの強化も行われた。Chrome OS Lightbarのサポート、Chromebook Pixel 2サポートの改善なども行われた。

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