Linuxカーネル3.19リリース、Btrfsの改善やGPUドライバの強化などが行われる
Linus Torvalds氏は2月8日、Linuxカーネル最新版「Linuxカーネル3.19」のリリースを発表した。Btrfsの強化やGPU関連の機能強化/改善などが特徴となる。
Linuxカーネル3.19は2014年12月初めに公開された3.18に続くもの。7回のリリース候補(RC)版を経ての正式版リリースとなった。
Btrfsファイルシステムでは、RAID 5/6のサポートが強化された。これにより、これまで未対応だったscrubbingやデバイスの置換を行うコマンドがRAID 5/6でも利用できるようになった。ファイルシステムではこのほか、ext4、F2FS、AFFS、Squashfs、CEPHなども強化されている。たとえば、SquashfsではLZ4圧縮技術のサポートが加わっている。
また、GPUドライバなどの強化も行われた。Intelの次世代GPUアーキテクチャ「Skylake」の初期サポートが加わったほか、AMDのGPU向けHSA(Heterogeneous System Architecture)に対応するオープンソースドライバであるAMDKFDのマージ、オープンソースのNVIDIA製GPU向けドライバであるNouveauでのGTX 900シリーズのサポートなどが加わったほか、GPUとのやり取りを行う各種Direct Rendering Manager(DRM)ドライバについても強化や改善が行われている。
NFS(Network File System)4.2でのホールパンチング、事前割り当てのサポートも加わった。またネットワーク関連ではIPv6の強化、eBPFプログラムのソケットへのアタッチ、GUE(Generic UDP Encapsulation)向けの遠隔からのchecksumオフロードなどが加わり、無線関連も多数の強化が加わった。スイッチ関連機能も強化され、L2/L3対応デバイス、SR-IOV NICに組み込まれたスイッチなどオフロードチップにも対応した。
ハードウェア関連ではマルチタッチ対応を強化したほか、東芝、Lenovo、Dell、Acer、Hewlett-Packardなど一部のPCでキーボードバックライトなどの固有のハードウェア機能がサポートされるようになった。仮想化関連も強化されているいっぽう、KVMハイパーバイザーではIA64のサポートがなくなっている。
新アーキテクチャとしてAltera Nios IIプロセッサのサポートが行われたほか、IntelのMPX(Memory Protection Extensions)のサポートも加わっている。
Torvalds氏は2013年11月にカーネル3.12をリリースした際に、Linux 3.19の次にLinux 4.0をリリースするアイディアを示していたが、今回の3.19リリースを告げるメーリングリストでは「3.20のマージウィンドウがオープン」とするにとどまっている。
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