米MapR Technologies、Apache Hadoopの商用ディストリビューション「MapR 5」を発表

 米MapR Technologiesは6月9日(米国時間)、Apache Hadoopベースの商用ディストリビューションの最新版「MapR Distribution 5」を発表した。Hadoop 2.7をベースとしており、単一クラスタ利用向けにリアルタイム機能などを強化している。

 MapR TechnologiesはHadoopベンダーで、MapR DistributionはHadoopをベースにエンタープライズレベルの機能を追加したディストリビューション。SQL-on-Hadoop、NoSQLデータベース、実行エンジンなどを備え、自社にあった技術を選択して利用できる。NFSへのアクセスと相互運用性、高可用性、認証などのセキュリティ、拡張性などを特徴とする。単一のクラスタでユーザーグループ、データセット、アプリケーションなどを独立して管理できるマルチテナント機能も備える。

 MapR 5.0は2014年9月に発表したMapR 4系に続く最新版。Hadoopはバージョン2.7をベースとし、YARNを利用したアプリケーションのローリングアップグレード、Dockerサポートなどの新機能を利用できる。MapRのプラットフォームレベルでのローリングアップグレードを補完するものになるという。

 HBaseベースのデータベース「MapR-DB」のTable Replicationで提供するリアルタイムデータ伝送フレームワークを強化し、外部のコンピューティングエンジンに対してもデータの配信と同期が可能になった。まずはElasticsearchをサポート、これによりカスタムコードを書くことなく全文検索インデックスの同期が可能になるという。

 データガバナンスとセキュリティ面も強化した。すべてのデータアクセスを対象とする包括的な監査機能が加わったほか、Apache Drill 1系のサポートにより細かなアクセス制御が可能となる。

 MapR 5.0は30日以内に提供を開始する。MapRは有償のEnterprise Edition、Enterprise Database Editionのほか、機能に制限のある無償のCommunity Editionも用意される。

米MapR Technologies
https://www.mapr.com