オープンソースのIDE「Qt Creator 3.4」リリース
The Qt Companyは4月23日、オープンソースの統合開発環境(IDE)の最新版「Qt Creator 3.4.0」をリリースした。C++の強化が中心で、Androidの64ビットツールチェーンの対応なども加わった。WindowsおよびMac OS X、Linuxに対応する。
Qt CreatorはC++で実装されたクロスプラットフォームの統合開発環境(IDE)。C++、JavaScript、QMLなどを利用してアプリケーションやそのユーザーインターフェイス(UI)を作成できる。Qt Widgets、Qt Designer、Qt Quick Designerなどのツールを含み、コードエディタ、バージョン管理、プロジェクト・ビルド管理などの機能を持つ。
Qt Creator 3.4は2014年12月にリリースされた3.3に続く最新版となる。C++サポートでは、Qt 5のシグナルスロットシンタックスでの自動補完サポートが加わり、手動入力が不要となった。また、新しいリファクタリングアクションとして全ての関数定義をクラスから除去できるようになった。プロジェクト内のファイルの場所を探すロケーターフィルタ機能を導入し、バイナリリテラルのサポートも加わった。
デバッガやエディタも強化された。たとえばエディタではQMimeDatabaseベースのMIMEデータベース実装に移行するなどの強化や修正が加わっている。バージョン管理システムサポートでもGit、Gerrit、Subversion、Bazaarなどで不具合の修正や細かな機能が加わった。また、外部ツール向けに環境を変更できるオプションが加わり、アウトプットペインの性能も改善した。
プラットフォーム固有の変更としては、Android向けで64ビットツールチェーンのサポートが加わった。また、商用版(ProfessionalとEnterprise)ではQt Testベースの自動テストとQt Quickテストを実験的に統合した。プロジェクトで定義されるテストを表示するナビゲーションペインが加わり、個々またはセットでのテストを実行できるという。