マルチOS対応ブートローダー「GNU GRUB」、ついにバージョン2.0がリリースされる

 ブートローダー「GNU GRUB(Grand Unified Bootloader)」開発チームは6月28日、最新版「GNU GRUB 2.0」をリリースした。長らく1.9系が「GRUB 2」と呼ばれていたが、ついにバージョン番号も正式に2.0の大台に到達したことになる。

 GNU GRUBはマルチプラットフォーム・マルチOS対応のブートローダー。当初はGBU Hurd向けのブートローダーとして開発されていたが、現在ではさまざまなOSをブートできるブートローダーとなっており、Linuxでは事実上標準のブートローダーとして採用されているほか、FreeBSDやSolarisなどにも対応している。GNUプロジェクト傘下のプロジェクトであり、ライセンスはGPLv3。

 開発者らはGRUB 2.0について、「2.0というバージョン番号は高い品質を意味している」と述べ、実際に多くの改善点が含まれている。また、gfxmenu向け公式テーマ「Starfield」の提供や、メニュー構成にサブメニューが加わっているなど、外観面での変更も行われている。

 新たなプラットフォームとしてItaniumやSGIのARCS、qemuのMIPSエミュレーション、Fuloong2F/2E(MIPSベースの小型PC)などがサポートされた。EHCIやAHCI、ESCCシリアル、IEEE1275シリアル、EFIシリアルなどのドライバも追加されている。

 ファイルシステム関連ではDVHパーティションマップやPlan9パーティションマップをサポートしたほか、ExFAT、Minix3fsといったファイルシステムもサポートしている。そのほかのファイルシステムサポートも改善されたほか、ZFSでは暗号化やZLE/GZIP圧縮もサポートされている。

 性能面では、使われていないデバイスへのアクセスを行わないことでデバイススキャンの速度を改善したほか、ビデオメモリアクセス時にCPUキャッシュを使うなどの工夫を取り入れているという。

GNU GRUB
http://www.gnu.org/software/grub/