Facebook発のPHP実行環境「HHVM 3.6」リリース、2回目の長期サポート版
米FacebookのHHVM(HipHop Virtual Machine)プロジェクトは3月11日、「HHVM 3.6.0」をリリースした。高速な処理を特徴とするPHP実行環境で、プロジェクトにとって2回目の長期サポート版(LTS)となり、非同期処理関連が強化されている。
HHVMはPHPプログラムを実行するためのオープンソースの仮想マシン環境。JITコンパイラアプローチにより優れた性能を実行できると同時に、PHPの開発柔軟性を維持できるという。FacebookのPHP互換プログラミング言語「Hack」の実行環境としも利用できる。
HHVMは8週間のリリースサイクルを持っており、HHVM 3.6は1月に公開されたHHVM 3.5に続くもので、HHVMにとっては2回目のLTSリリースとなる。LTSは2014年9月のバージョン3.3で導入したコンセプトで、以降6リリースの間をサポートする。3.6の場合、バージョン3.12(2016年12月にリリース予定)がリリースされるまでの間サポートが行われる。
Hackにおける非同期機能ではMySQLのサポートが強化され、AsyncMySQLをサポートした。memcached実装拡張のためのプロトコルルーターMCRouterのサポートもデフォルトで有効になった。cURLの非同期処理と組み合わせることで、アプリケーションは深いレベルでの並列化を行えるとしている。
また、PHPコードの互換性を強化し、HackではXHPのタイプチェックサポートを改善した。これらに加えてFastCGIサーバーを再構築し、メモリリーク関連のバグや信頼性に関する不具合を修正した。このほか、クラッシュやメモリリークにつながるバグを多数修正したという。
HHVMはプロジェクトのWebサイトより入手できる。また、プロジェクトでは2015年のロードマップとして、LLVMの統合、64ビットARMプラットフォームの実験的サポート、ガベージコレクションの改良、 Mac OS Xのサポート強化などを挙げている。
HHVM
http://hhvm.com/