「Git 2.3」がリリース、リモートリポジトリ側でチェックアウトしされているブランチへのプッシュが可能に
Git開発チームは2月6日、分散型バージョン管理システムの最新版「Git 2.3.0」をリリースした。プッシュを利用したデプロイを容易にする機能が加わったほか、細かい機能強化などが行われている。
Git 2.3は2014年11月末に公開されたGit 2.2に続くメジャーリリースとなる。大きな変更点として、「Push to Deploy」と呼ばれる機能が導入された。従来、プッシュ先のリポジトリでチェックアウトされているブランチへのプッシュは行えなかったが、本バージョンではチェックアウトされている作業ツリーやインデックスに変更が加えられていない場合に限ってこれが可能になった。Gitを使ってデプロイを行っているケースなどで有用だという。
ただし、.gitディレクトリが公開される危険性がある場合や、デプロイに別途作業が必要な場合など、利用しない方が好ましいケースもある。この機能を利用するためにはリポジトリ側で「git config」コマンドなどを利用し、「receive.denyCurrentBranch」設定項目を「updateInstead」に設定しておく必要がある。
また、「git clone」コマンドの「–reference=<参照先リポジトリ>」オプション利用時に指定できる「–dissociate」オプションが追加された。–referenceオプションは別のリポジトリ内の情報を参照することでクローン時にダウンロードするデータを削減するものだが、従来は参照先リポジトリが削除された場合にリポジトリが正常に動作しなくなる可能性があった。–dissociateオプションを利用すると、参照先リポジトリ内の情報をコピーすることでこの問題を防ぐことができるという。
このほか、遠隔にあるホストにSSHで接続する際に利用するコマンドをGIT_SSH_COMMANDシェル変数で指定できるようになるなど、細かい変更点も多く加えられている。
本バージョンでは12月に修正した深刻度の高い脆弱性の修正といったバグ修正も含まれている。Git開発チームは2.3リリースに合わせて、Gitクライアントを最新版か各ブランチの最新版(1.8.5.6/1.9.5/2.0.5/2.1.4)にアップデートするように呼びかけている。