「Linuxカーネル3.17」がリリース
Linus Torvalds氏は10月5日、Linuxカーネル3.17をリリースしたことを発表した。「Microsoft Xbox One」コントローラーのサポートなど、ドライバ関連の強化が中心となっている。
8月初めに公開されたLinuxカーネル3.16から2か月での新バージョンリリースとなる。その間Linuxは、1991年8月25日にTorvalds氏が最初の発表を行ってから23年目を迎えている。なお、リリース候補(RC)は7回公開された。
ドライバ関連を大きく強化したほか、KVMを強化しnested vmxや古いプロセッサ向けの最適化が加わった。また、Xen EFIのサポートにより、Xen Dom0でUEFIを利用した起動が可能になった。
ファイルシステム周りではXFSの強化、sysfsインターフェイスの導入、Bulkstatリファクタリングの追加などが行われている。韓Samsungが開発するSSD向けファイルシステムFlash-Friendly File-System(F2FS)対応も改善されている。SCSIサブシステムの強化による拡張性の改善や、2038年問題への対応なども特徴となる。
ランダムなデータを取得できるgetrandom、マルチスレッドプログラム向けの安全なサンドボックスseccompなどのシステムコールが新たに追加された。BIOSを介さずに他のカーネルを起動できるkexec_loadも導入されている。
ドライバ関連では、Linux Xpadドライバーのマージにより、米Microsoftの「Xbox One」コントローラーのサポートを実現した。Xbox Oneの主要な機能をサポートするという。ソニー「PlayStation 3」用モーションセンサー搭載コントローラー「SIXAXIS」のサポートも強化した。またACPI(Advanced Configuration and Power Interface)イベントなどから東芝製ノートの異常を異常を検出するToshiba HDD Active Protection Sensorも加わった。
このほか、AMD Radeon R9 290シリーズなどのGPUのサポートを強化した。複数のGPU DRMドライバ間でバッファを共有するDMA-Buf Sharingも利用できるようになっている。早ければ年末に登場が見込まれているIntelの次期Atomプロセッサ「Cherry Trail」や、新型のモバイルプロセッサ「Braswell」への対応も改善したほか、NVIDIA Nouveauドライバ関連も強化した。一方でCrystalhd、Winbond、wlags49_h2などのドライバーサポートが削除されている。
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