オープンソースのメディアプレイヤーKodi(旧XBMC)14.0リリース

 XBMC Foundationは12月23日、オープンソースのメディアプレイヤー「Kodi 14.0」(開発コード「Helix」)を発表した。XBMCから名称を変更した後で初のリリースとなり、「FFmpeg 2.4.4」のサポートなど多数の機能が加わっている。

 XBMCはMPlayerをベースとして開発されたオーディオ/動画再生ソフト「Xbox Media Player(XBMP)」の開発中止を受けて発足したプロジェクト。開発母体は2009年に非営利団体となっている。当初はXbox向けのソフトウェアだったが、WindowsやMac OS X、Linux、iOS、Android、Raspberry Piなどさまざまなデバイスにインストールでき、ローカル、インターネット、ストレージにある動画、音楽、ポッドキャストなどさまざまなマルチメディアファイルを再生できる。また、UPnP互換、遠隔からの操作、JSON-RPCベースのWebインターフェイスといった機能も備えており、AndroidおよびiOS向けのリモコンアプリも公開されている。

 開発チームは8月、バージョン14よりXBMCからKodiに名称を変更すると発表していた。XBMCとしてはバージョン13.2(開発コード「Gotham」)が最後となる。今回リリースされたKodi 14.0では、動画コーディックとして使用しているFFmpegをバージョン2.4.4にアップデートした。これによりH.265(HEVC)およびVP9コーデックを使用した動画の再生が可能となった。HEVCとVP9の利用により、品質を維持しつつ動画ファイルの容量を小さくできるとしている。ただし、H.265のデコードは完全にソフトウェアベースとなるため、AndroidやiOSなどの小型端末では動作に影響が出る可能性があると注意している。

 Kodi Libraryもインプットとアウトプットの両方で強化した。まずライブラリスキャンが高速化され、AndroidとiOSでの初期スキャン速度が改善するという。また、UPnPの強化も継続されており、「PlayOn」や「MediaBrowser」などのサーバーとの互換性も改善している。UPnPクライアントとUPnPサーバー間のやりとりについても、日付、評価、アートワークなどのサポートを強化するなど改善したという。

 操作および管理面でも2つの新機能を導入した。1つめはアドオンの更新に関する設定。これまでの自動アップデートに加えて、アドオン更新の通知や強制アップデートなしのアドオン更新などを設定・変更できるようになった。アドオン設定はシステム設定のアドオンフォルダより行うことができる。2つめとして、仮想キーボードでQWERTYキーボード以外の言語を設定できるようになった。このほか、WinodwsでのDXVA動画再生の強化など、プラットフォーム別にも多数の機能が強化されている。

 開発チームによると、ライブラリやアドオンについてもXBMCからKodiへの移行が進んでいるため、旧バージョンであるXBMC 13.2に戻ることは難しくなると警告している。そのため、既存のXBMCライブラリや設定のバックアップをした後にKodiをインストールするよう推奨している。

Kodi
http://kodi.tv/