メディアプレイヤー「XBMC」が「Kodi」に名称変更

 オープンソースのメディアプレイヤー「XBMC」の開発母体であるXBMC Foundationは8月1日、XBMCの名称を次期版のバージョン14から「Kodi」に変更することを発表した。「XBMC」はXbox Media Centerの略であるが、「XBox 360」や「Xbox One」上では動作しない現状を反映されるといった事情に加え、商標など法的な問題もあるという。

 XBMCは2003年にTeam XBMCとしてスタートしたプロジェクト。2003年末に開発が中止された、Xbox上で動くMPlayerをベースとしたオーディオ/動画再生ソフト「Xbox Media Player(XBMP)」の後継として開発された。その後2008年には「XBMC」という名称に変更されている。

 2008年から現在までの間、XBMCは最初のルーツであるXboxとは乖離していき、最新のXbox 360やXbox Oneのサポートはない。XBMCは当初のメディアプレイヤーからエンターテイメントセンターへと発展し、ゲームが動き、コンテンツのストリームが可能になり、アドオン開発のプラットフォームとなり、さまざまなデバイスに対応している。5月にリリースした「XBMC 13」(開発コード「Gotham」)では、WindowsやMac OS X、Linux、Android、iOS、Apple TV 2、Raspberry Piなどさまざまなデバイスをサポートする。

 これに加えて、チームは法的な問題として、XBMC FoundationはXboxをベースとしたXBMCの名称やその使用などについて法的に管理できない点を挙げる。過去数年、欠陥のあるソフトウェアが動くハードウェアにまつわるトラブルなど、名称の使用をコントロールできないためにユーザーを混乱させる事件があったと報告している。また、類似した名称を商標に持つ企業からのプレッシャーもあり、近年この問題が大きくなっていたとのことだ。

 Kodiへの名称変更は、次期版であるバージョン14(開発コード「Helix」)から。名称は変わるのもの、これまで通りにGPLv2ライセンスの下で公開され、同じように利用できるという。Kodi 14.0のリリース時期は発表されていないが、Kodi 14.0アルファ2が同日に公開されている。なお、XBMCの最新安定版は6月に公開された「XBMC 13.1」で、7月には13.2のベータ1がリリースされている。

 プロジェクトは今後、Webサイト、ソーシャルネットワークなどで名称変更を反映させる作業を進める。合わせて「XBMC」のロゴが入った最後のTシャツを販売している。

XBMC Foundation
http://xbmc.org/