Linux向けネットワーク設定ツール「NetworkManager 1.0」リリース

 ネットワーク管理ツール「NetworkManager」開発チームは12月19日、最新の安定版となる「NetworkManager 1.0」をリリースした。2004年のプロジェクトスタートから10年を経てのバージョン1.0リリースとなる。

 NetworkManagerは、Linuxにおけるネットワーク関連の設定管理を簡素化するためのツールセット。無線LANや有線LAN、ブリッジ、3G、Bluetoothなどさまざまなネットワーク技術を対象とし、あるネットワークから別のネットワークに移行したり、設定済みのネットワークを検出して自動的に接続するといった機能を持つ。GnomeやKDE、Xfce、組み込みなどさまざまなユーザーインターフェイスが用意されており、さまざまなLinuxディストリビューションで採用されている。dbusを利用するため、C/C++やPythonなどを利用して容易に対応アプリケーションを構築できるという。

 NetworkManager 1.0は6月に公開されたバージョン0.9.10からのアップデートで、新たにGLib Object System(GObject)ベースのクライアントライブラリ「libnm」が導入された。従来のlibnm-utilおよびlibn-glibライブラリはlibnmにマージされ、APIの簡素化も行われている。後方互換性維持のためlibnm-utilとlibnm-glibの提供も引き続き行われる。

 また、systemd-networkdのコードをベースとした軽量なDHCPクライアントが新たに内蔵された。NetworkManager.confで「dhcp=internal」オプションを設定することで利用できる。ただしこのクライアントはDHCPv6をサポートしておらず、dhclientと比較するとオプションも少ないという。

 mmcliも強化され、パスワード要求やPolicyKit認証をサポートした。これにより、パスワードを必要とするコマンドラインベースのアクティベーションが可能になるという。また、「nmcli dev connect」コマンドについても強化されている。

 このほか、IPv6設定、VPN接続、ルート処理などが強化され、外部ツールとの干渉問題も解決する。Bluetooth DUNのサポートも加わり、ファームウェアベースのiBFT/iSCSI設定をサポートするibft設定プラグインも導入した。

NetworkManager
https://wiki.gnome.org/Projects/NetworkManager