EricssonがWebRTC対応のモバイル向けブラウザ「Bowser」をオープンソースで公開
スウェーデンEricssonは10月2日、WebRTCをサポートしたモバイル向けブラウザ「Bowser」をオープンソースで公開した。また、同時にクロスプラットフォームWebRTCフレームワーク「OpenWebRTC」も公開している。
Ericssonは無線通信機器を手がけるベンダーで、W3Cで標準化作業が進んでいるリアルタイムコミュニケーションAPI「WebRTC(Web Real-Time Communication)」の開発に参加している。BowserはEricsson Researchが開発し、2012年に初のWebRTC対応ブラウザとしてiOSとAndroid向けの実験的プロダクトとして公開された。その後、App StoreとGoogle Playからはいったん削除されたが、その後App Storeで再リリースを予定しているいう。
WebRTC APIを利用して音声・動画通話をブラウザ内で実行できるほか、スワイプによるナビゲーション操作などの特徴を持つ。CSSとJavaScriptを利用したVIDEO要素のカスタマイズと操作も可能で、これらを利用して開発者はリアルタイムの音声・動画機能を持つWebアプリケーションを開発できる。現在のバージョンではiOSのUIWebViewを土台としているが、間もなく「iOS 8」で導入されたWKWebViewに移行の予定。今回コードを2条項BSDライセンスの下で公開し、オープンソースプロジェクトとした。今後もEricsson ResearchがApp Storeでの公開を担当するという。
OpenWebRTCはBowserでも採用されている技術で、オープンソースのマルチメディアフレームワーク「GStreamer」をベースとしたWebRTCクライアントフレームワーク。柔軟性とモジュラー構造を特徴とし、APIレイヤーはJavaScriptで実装することで、修正や拡張を高速に行えるという。コーデックとしてはH.264とVP8をサポートし、OpenWebRTC上に構築したアプリケーションはネイティブのOpenWebRTCアプリケーションに加え、Google ChromeやMozilla FirefoxなどWebRTCに対応したブラウザとやりとりできる。
スウェーデンEricsson
http://www.ericsson.com/
OpenWebRTC
http://www.openwebrtc.io/