米Cisco、H.264コーデックをオープンソースかつロイヤリティフリーで公開へ
米Cisco Systemsは10月30日、動画コーデック「H.264」の自社実装をオープンソースソフトウェアとして公開することを発表した。ロイヤリティフリーで利用できるようにし、WebRTCの標準技術となることを目指す。Mozillaが「Firefox」で同モジュールをサポートする計画を発表している。
H.264は近年普及が進んでいる動画コーデックだが、利用にあたってMPEG LAにロイヤリティを支払う必要があることがオープンソースプロジェクトを中心に障害となっていた。Ciscoはこれに対応するために、H.264実装とバイナリモジュールをBSD Licenseの下でロイヤリティフリーで公開、だれもが無料で利用できるようにする。Ciscoは自社がMPEG LAに支払うライセンスコストを利用者に課さないと約束しており、WebRTCでH.264を無料で利用できるという。
背景には、来週にもインターネット技術タスクフォース(IETF) が決定するWebRTCの動画コーデックの標準化作業がある。WebRTC(Web Real-Time Communications)はHTML5の拡張機能で、プラグインなしにWeb上で動画や音声を利用するリアルタイムコミュニケーションを行うことができる。
同日、Mozillaは「Firefox」ブラウザでCiscoのH.264モジュールを利用できるようにする計画を発表している。Firefoxは6月に公開したバージョン22でWebRTCをサポート済み。モバイル版(Android向け)も9月公開のバージョン24で対応している。なお、現在Firefoxが採用するVP8サポートも継続する。WebRTCはこのほか、「Google Chrome」もサポートしている。
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