Qt Projectが新組織「The Qt Company」を立ち上げ、個人モバイル開発者向けの「Indie Mobile」も発表

 Qt Projectは9月16日、新組織「The Qt Company」を立ち上げ、親会社のフィンランドDigiaからスピンオフしてQtの開発に注力していく計画を発表した。同組織でQt技術のポジショニング、開発、事業開発を進めていくという。合わせてWebサイト「www.qt.io」も公開した。

 QtはノルウェーTrolltechの下で、クロスプラットフォームのUIフレームワークとしてスタート。その後フィンランドNokiaに買収された。そしてQtを利用したソフトウェア開発を多く手がけていたDigiaが2012年にQt事業部をNokiaから取得し、現在に至る。

 今回のスピンオフはQt Projectが6月に発表した意向に沿うものとなる。新組織の名称はシンプルにThe Qt Companyとし、QTのポジショニングと推進を行っていく。

 合わせて発表した新Webサイトも計画に沿うものとなり、8月に発表していたようにqt.digia.comとqt-project.orgを合体させ、Qtの情報源、コミュニケーションの場として一元化する。今回の発表では、qt.digia.comへのアクセスのリダイレクトを開始したほか、ダウンロードページでオープンソース版と商用版のダウンロードオプションを集約したことなどが発表された。次のフェイズでは、qt-project.orgのコンテンツのqt.ioへの移行を進め、developerセクションを設ける予定だ。

 なお、新しいWebサイトではQtのロゴがわずかに修正され、サイトのデザインやレイアウトも大きく変更している。

 Qtは同日、5月に公開されたQt 5.3系の最新メンテナンスリリースとなる「Qt 5.3.2」も発表した。バグ修正に加えて、最新の統合開発環境(IDE)となる「Qt Creator 3.2.1」が含まれる。5.3.1で正式導入したQMLコンパイラ「Qt Quick Compiler」はバージョン1.1となり、高度なUI制御のための「Qt Quick Enterprise Controls」でモバイル開発でのニーズが高いというTumbler制御機能が加わった。

 Qtはまた、個人ベースのモバイル開発者向け製品「Indie Mobile」も発表した。Android、iOS、Windows RTをターゲットにモバイルアプリ開発ができるもので、Qtライブラリ、Qt Creator、商用ライセンスをパッケージしたもの。開発したアプリは「Google Play」などAndroidアプリストア、「App Store」「Windows Marketplace」に実装できる。価格は月額20ユーロ/25ドル。

The Qt Company
http://www.qt.io/