Linux Foundationが2種の新たな認定プログラムやGitHubら5社の加入を発表

 Linuxを推進する非営利団体Linux Foundationは8月20日(米国時間)、新しいLinux認定プログラムを発表した。またコードホスティングの米Git Hubなど5社が同団体に加入したことや、重要なインフラ関連プロジェクトを支援する「Core Infrastructure Initiative(CII)」に日立製作所とNECが加わったことも明らかにした。

 米イリノイ州シカゴで開催中の「LinuxCon & Cloud Open North America 2014」で発表されたもの。認定プログラムとして、新たに「Linux Foundation Certified System Administrator(LFCS)」「Linux Foundation Certified Engineer(LFCE)」の2種が加わった。LFCSは、基本から中程度のレベルとしており、Linuxシステムとサービスの運用サポートに必要なレベルの知識習得を目指す。LFCEはさらに深いレベルの知識を問うもので、システムアーキテクチャの設計と実装などについて、技術知識の習得を問うもの。

 共に理論よりも問題解決を重視しており、Linuxディストリビューションは「CentOS」および「OpenSUSE」、「Ubuntu」の3種から選択できる。試験はオンラインでWebブラウザベースで行われるため、いつでもどこでも受験できるという。試験時間は2時間で、言語は現在英語のみ。

 Linux Foundationに新メンバーとして加わったのは、米Adapteva、米GitHub、米SanDisk、米Seagate、米Western Digitalの5社。Linux Foundationはプラチナ、ゴールド、シルバーの3レベルに分かれており、年会費が異なる。今回加入した5社はすべてシルバーメンバーとしての加入となる。

 Adaptevaは電力効率に優れたマルチコアプロセッサなどを開発する半導体メーカー。スーパーコンピューティングの低価格化を目指すParallella Projectの出資企業でもあり、同プロジェクトでLinuxやその他のオープンソース技術を活用することで、研究や教育などで必要とされている並列コンピューティングの普及を促進できると展望している。

 GitHubはユーザー数600万人以上を抱える世界最大規模のコードホスティングサイトで、Linus Torvalds氏が作成したバージョン管理システムGitを核にシステムを構築している。Linuxの発展とGitの普及に向けて活動することを指針としている、と参加の理由を説明している。

 SanDisk、Seagate、Western Digitalはストレージ技術ベンダーで、Linux Foundation参加により研究開発や製品開発の促進などの狙いを明かしている。

 Core Infrastructure Initiative(CII)は、重要なインフラ技術のオープンソースプロジェクトを共同で支援するイニシアティブ。OpenSSLの「Heartbleed」問題を受けて4月末に立ち上げたもので、OpenSSLのほか、Network Time Protocol、Open Crypto Audit Project(OCAP)、OpenSSHの4プロジェクトの出資が決まっている。日立とNCEの参加により、参加企業は19社となった。

Linux Foundation
http://www.linuxfoundation.org/

Linux Foundation Certified System Administrator(LFCS)
http://training.linuxfoundation.org/certification/lfcs

Linux Foundation Certified Engineer(LFCE)
http://training.linuxfoundation.org/certification/lfce